Web広告をブロック(非表示)してくれる広告除去ツールを使っている人は多いと思います。私も愛用者の一人です。
利用者の中には、広告が収益源のポイントサイトでアドブロックを使うことが本当に問題ないのかを心配する人もいるようです。ポイントサイト側に不正利用とみなされるなら、最悪の場合は退会させられるリスクもありそうですよね。
このサイトでもビットコインを無料でもらう方法の一つとしてポイントサイトを色々と紹介していますが、そのポイントサイト運営会社の主要な収益源(原資)は広告です。この広告収益の一部が私たち利用者に還元されています。
その広告の一つに「ディスプレイ広告」と呼ばれるものがあり、表示(インプレッション)またはクリック(Click Through)に対して広告主がポイントサイトにお金を払っています。要するに、広告を表示またはクリックさせれば、ポイントサイトが儲かるという仕組みですね。
ということは、ポイントサイトにとって「ユーザーに広告が表示されない」ということは非常に好ましくないということになります。サイトによっては経営の根幹に関わる問題にもなるでしょう。
ということで、今回は広告を非表示にするアドブロック(Ad Block)について、ポイントサイトで使うことの「有効性」と「利用することの是非」について調べた結果をお伝えしたいと思います。
結論としては、「ポイントサイトを使うならアドブロックは使わないと損」ですが、「一部のページはホワイトリストにしないと使えない」というデメリットもあります。
アドブロックとは
まず、広告除去ツールとも呼ばれるアドブロックについてですが、Wikipediaの内容が端的で分かりやすかったので引用してみます。
アドブロック
アドブロックとは、インターネット広告をブロッキングするソフトウェアの機能、ウェブブラウザの拡張、及び広告をブロックする行為の事であり、広告ブロックとも呼ばれる。
概要
アドブロックの仕組みはクラウド上にあるブラックリストと呼ばれるフィルターを参照しそれに引っかかるコンテンツ(この場合は広告)を非表示にする、ウェブページを参照し特定の要素を持ったコンテンツ(例えば広告サイズの画像)を非表示にする等がある。
広告をブロックすることで通信量を減らす、コンピュータウイルスを仕組んだ広告をブロックする事で感染を防ぐ、不快な広告をブロックすることで不快な思いをしないで済む事が出来る、トラッキングをブロックする事でプライバシーを守る事が出来る。
出所:アドブロック – Wikipedia
私は、PCではGoogle Chromeの拡張機能とiOS Safari向けアプリを利用しています。おかげさまでネットサーフィンは極めて快適です。
- Sands(Google Chrome拡張機能)
- AdBlocker(App Storeでは配信停止中)
アドブロックのメリット
利用するメリットは、容易に体感できるほどページ表示の動作が軽快になることでしょう。使っていない状態では、それだけ広告表示によるページ表示の遅延や不要な通信が存在しているということです。
この事実に対しては、利用者が嫌気さして「広告をブロックしても仕方ないだろう」と思っています。
アドブロックのデメリット
あまりデメリットを感じていないので思い浮かびませんが、続きが気になる秀逸な漫画のバナーが見られなくなるところでしょうか。こういうやつです。
広告主も買わせるために全力で作っているものなので、広告自体は購買意欲をそそる良い広告だと思っています(今はアドブロックに阻止されて全く目にしません)。
それはさておき、実際に考えられるデメリットとしては、ポップアップブロックの機能もある場合、「サイト上の手続きとして必要なポップアップも、ブロックしてしまうことがある」と言ったところでしょう。そうそう遭遇することのないシーンで、全く心配する必要のないレベルの話だと思っています。
これはブラウザ自体に実装されているポップアップブロック機能でも起こる話ですし、もし問題あったら、サイト自体をアドブロックのホワイトリストに追加すれば良いだけです。事実上、アドブロックを有効にしていることによるデメリットはないと思います。
実際に使ってみると
使っている人は分かると思いますが、アドブロックを無効にしてページを見ると、使っていない場合のページとの違いに驚きます。本当に同じサイトなのかと疑ってしまうレベルですね。下に比較できるキャプチャを載せておきます。
上の画像はポイントサイトにコンテンツを提供している会社のページです。
純粋な広告表示だけではなく、広告を誤クリックさせるために画面をずらしてみたり、ボタンが動いて下からバナーが現れたり。こういうのはIT業界の底辺企業が作っているわけですが、暗にAdblockの導入を推奨しているのではないかと疑ってしまうほどですね。
このような状況を踏まえて、今回の本題「ポイントサイトでアドブロックを使っていいのか」に移ります。
ポイントサイトで使っていいのか
結論としては、「ポイントサイトで使うのは自由」ということになりそうです。色々とサイトを横断的に調べてみました。
ポイントサイト運営会社の見解
主要なポイントサイト運営会社のWebサイトを確認しましたが、広告ブロックを禁止するような内容は見当たりませんでした。
ポイントサイト運営会社の利用規約には「禁止事項」が書かれていますが、そこに明示されているものは見られません。規約の読み方はさじ加減もあるので、「その他の…」と書かれているようないわゆる「包括条項(バスケット条項)」で解釈できないこともないと思います。
ただ、明示的にアドブロックに対する禁止を全面には出していません。
日本インターネットポイント協議会の見解
ポイントサイトの業界団体として、日本インターネットポイント協議会(JIPC)という組織があるので、その団体の見解のようなものがないかも調べてみました。業界団体と言っても、2018年4月1日現在で16社しか加盟していないようです。
日本インターネットポイント協議会 http://www.jipc.jp/
この業界団体の見解があるかをホームページを調べてみましたが、特に公式見解を出しているわけではなさそうでした。それよりも、2015年から入会より退会ばかりが目立ちますね。
あのmoppy(モッピー)を運営している東証プライム上場のセレスも昨年退会しています。
結論:ポイントサイトではアドブロックを使うべき
ポイントサイト自体のページは問題ないと思うのですが、そこが採用しているコンテンツの質が悪すぎます。これに対しては完全に誤クリックを誘発している悪意しか感じないため、これは利用者による自衛が必要でしょう。
すなわち、ポイントサイトではアドブロックを積極的に使っていくべきです。
使わないと損しています
広告表示がないだけで、周辺コンテンツ(クイズやゲームなど)でポイントを貯める効率が非常によくなります。
使っている人は効率的に貯めることができて、使っていない人は誤クリックに苦しんで非効率になります。アドブロックしている人は、使っていない人からの広告収益にフリーライド(タダ乗り)しているんですね。
全員が同じことをしたらポイントサイト自体が潰れてしまいますが、自分が使わないと他のアドブロック利用者がタダ乗りで得をする「コモンズの悲劇」の構造そのものです。
これがポイントサイトの現状でしょう。そして、利用者としては「自分が損をしないために広告をブロックする」が合理的な行動となります。
使うと問題になるケースも(ポイントサイト以外)
これはポイントサイトの話ではありませんが、仮想通貨を無料でもらえる海外のFaucet(フォーセット)の一部は問題が起こるケースがあります。老舗かつ最大手のFreeBitcoin(フリービットコイン)では大丈夫のようです。
日本のポイントサイトは寛容なようですが、海外フォーセットのサイトがアドブロックを検知すると、「アカウント一時停止」や「ホワイトリストに入れるまで “Claim” してもコインをもらえない」という措置をとってきます。
このようにサイト側が対策することは大したことのない簡単な話なので、日本のポイントサイトは「見逃してくれている」というのが実情ですね。最近では一部のコンテンツに「アドブロックを解除しないと使えない」という対応をしてきていますが、それらをホワイトリストにして除外しつつ、現状は「利用者がアドブロックを使わない理由がない」というのが結論でしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が何かの参考になれば幸いです。