仮想通貨のマイニングを始めるとき、一番苦戦するのはマイニングソフトやツールの設定方法ですが、一体どのマイニングプールを使えばいいのかも迷いますよね。
思ったほどマイニング報酬を受け取れないと、「使っているマイニングプールが悪いんじゃないか?」とか思ってしまったり。
今回は、国産通貨BitZeny(ビットゼニー)のデータをもとに、オススメな「マイニングプールの選び方」について考えてみました。POW(Proof of Work)の通貨であれば、全て同じことが言えます。
データの参考にしたのは下記のサイトです。
BitZeny Mining Pool Information
一番稼げるマイニングプールとは
結論、どのマイニングプールでも変わりません。これが間違いなく答えです。
結局、自分が受け取るマイニング報酬は、自分の出しているハッシュレートに対する期待値に落ち着きます。
ただ、これは「長期的に見れば」という話のため、「数時間・1日」の単位でみると当然ながらブレ幅があります(マイニングプール云々というよりも運も絡みます)。
なぜ上記の結論になるのでしょうか。その理由の検証と、それを踏まえたマイニングプールの選び方を考えてみましょう。
BitZenyのマイニングプールで検証
1つのプールが過半に近いシェアを占めていて少し特殊ですが、ビットゼニー(ZNY)のマイニングプールで確認してみましょう。
これから見ていくのは2018年3月14日のデータです。
マイニングプール別のハッシュレート
これでも改善された方ですが、BitZenyのマイニングプールは LA BitZeny Pool が4割を占める構成になっています。
理屈上は、これから発見される4割のブロックをLA BitZeny Poolだけで採掘できることになりますね。
他の6割を多くのプールで採掘を競っている状況です。
マイニングプール別のワーカー数
ワーカー数についても、LA BitZeny Poolが飛び抜けて多い状況です。
ただ、ワーカー数はユーザー数とは違って、ワーカー名を分けていれば1ユーザーでも複数ワーカーでカウントされます。
それにしても多いですね。これでも減った方で、2017年末にZNYが暴騰した後、LAは最大6,000ワーカーくらいまで増えていた記憶があります。
発見されたブロック数
ビットゼニーはブロック発見時間が90秒ごとになるよう難易度調整されるので、理屈上は1日960ブロックが採掘されます。
その中で、LA BitZeny Poolは約400ブロック(41.6%)を発見しています。キレイにハッシュレートのシェア(42%)と同じになっていますね。
理論上、観測期間が長期になればなるほど、ブロック発見数はプールのハッシュレートの比率に収斂していきます。
ワーカーあたりの報酬(これが重要)
ここからが重要なポイントで、ワーカーあたりのマイニング報酬(リーワード)を見ていきましょう。
下の画像は「ワーカーあたりのリワード」で、それぞれのプールで「1ワーカーが稼いだZNY」の順に並べたものです。
ハッシュレート・ワーカー数・ブロック発見数の1位・2位を占めるプールが、ワーカー数あたり報酬では下の方に沈んでいます。
逆に、この図では1位の「選民プール」のように、高ハッシュレートな人しか入れないプールが上位に来ています。ちなみに、プール全体のハッシュレート順で「選民プール」は18位です。
その差は、1ワーカーあたりLAが5ZNY/日の中で、選民は16ZNY/日なので、歴然とした差がありますね。
要するに、プール自体のブロック発見数に関係なく、高いハッシュレートの人が多くもらっているということです。
結局、どういうことなのか
プールのハッシュレートの違いによる影響
ハッシュレート・ワーカー数・ブロック発見数の関係から明らかですが、以下のようなまとめになります。
高ハッシュレートのプールは、
- 高ハッシュレートのプールはブロック発見数(マイニング報酬)が多い
- 高ハッシュレートのプールはワーカー数が多い
そのため、プールが得るリワードも多いながら、沢山のワーカーで分けるので、1ワーカーが受け取るリワードが少なくなります。
反対に、低ハッシュレートのプールは、
- 低ハッシュレートのプールはブロック発見数が少ない
- 低ハッシュレートのプールはワーカー数も少ない
そのため、少ないリワードを少人数で分けるので、1ワーカーが受け取るリワードは多いです。
ただ、ブロックが見つかるまでに時間がかかってしまいます。
短期では高ハッシュレートのプール
下記に該当する人は高ハッシュレートのプールを優先的に使いましょう。
- 1日中マイニングしているわけではない場合
- ちょっと動かして止めるような場合
この場合は、高ハッシュレートのプールを使った方が良いです。
というのも、短期的には、短期間のうちにブロックを見つけられるか否かの「運」による振れ幅があります。
そのため、ブロック発見数の多い高ハッシュレートのプールを選ぶ方が良いということになります。
低ハッシュレートでブロック発見数が少ないプールを使って、次のブロックが見つかる前にマイニングを止めると、そこからブロック発見までにかかる時間が長いほど、自分の貢献度(シェア)が薄まってしまいます。
要するに、自分に割り当てられるマイニング報酬が少なくなるということです。
長期ではプールによる違いはない
ずっとマイニングしている端末の場合、結局は自分のハッシュレートに応じたマイニング報酬に収斂されます。
そのため、どのマイニングプールを選んでも、受け取れるマイニング報酬に違いはありません。
マイニングプールは、基本的にPPS(Pay Per Share)方式のため、どれだけプールに難しい計算結果を返す(シェアする)かで、受け取ることができる仮想通貨の量が決まります。
そして、そのシェアする結果はハッシュレートの高さと同義です。
プール選びのポイント(結論)
どこを使っても同じという結論ですが、マイニングプールの中には独自色を出そうと努力しているところもあります。
どこも同じように見えて、よく見ると色々な特色があるということですね。
一例を載せてみますので、下記のような違いを見比べながら自分にあったプールを選んでみてください。
- 情報開示
小まめに情報を載せて、プールの運営状況を見えるようにしていたり
- 払い出し手数料
自分のウォレットに払い出す際の手数料は0%のプールがあったり(たまには寄付しましょう)
- イベント
ブロック発見者への特別報酬を提供したり、盛り上げようと努力しているプールもあったり
- 独自機能
なんだかよく分からない機能を実装してみたり
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
どのマイニングプールを使うか迷っている人に、この記事が少しでも参考になれば幸いです。