ビットコインアドレスとは? その意味と取得方法について

エクイハッシュのアルゴリズム

 

みなさん、どれくらいのビットコインアドレスを持っているでしょうか。ビットコインアドレスとはビットコインを送受信するためのアドレスで、銀行で言う口座番号のようなものです。

BTCのアドレスは「1か3から始まる27-34桁の英数字」で構成されていて、下の画像のような英数字の文字列が並んでいます(画像は暗号資産取引所のbitFlyerで割り当てられたビットコインアドレスです)。

ビットコインアドレス

ビットコインのシステムというのは、このビットコインアドレス同士でBitcoin(BTC)を送金しているだけの単純な仕組みで、これがブロックチェーン(分散型台帳)に記録されているイメージです。自分がビットコインを受け取るときは、送ってくれる相手に自分のビットコインアドレスを伝えるだけです。

今回は、まだビットコインアドレスを持っていない人に向けて、その入手方法について色々な方法を紹介しながらオススメの方法を書いてみたいと思います。

ビットコインアドレスの取得方法

ビットコインアドレスを取得する方法は大きく分けて2つあります。

  1. 自分でアドレスを取得
  2. 仮想通貨の取引所で口座開設(取引所からアドレスを割り当ててもらう)

取引所で口座開設するのがダントツで簡単ですが、それぞれメリット・デメリットがあるので理解したうえで利用してください。

1. 自分でアドレスを取得する

この方法は全て自己責任で、何か問題があっても誰も助けてくれません。

自分でアドレスを取得する方法(作り方)もいくつかあり、ここでは代表的なものを紹介しておきます。ビットコイン以外の通貨も含めた一般的な方法です。

  1. オンラインウォレットでアカウントを作る(非推奨)
     
    インターネット上でウォレットを発行してくれるサイトがあるので、そこでアドレスを取得することができます。ただし、運営者の素性が不明なサイトや、サイト自体のセキュリティが脆弱なサイトもあるので、通貨のコミュニティが提供している公式以外のオンラインウォレットは極力避けた方が良いでしょう。相手に悪意があったら目も当てられません。

    オンラインウォレット

    オンラインウォレットの運営側に秘密鍵も預けている状態なので、サイトが閉鎖されたら全て終わりです。そして仮想通貨において、サイト閉鎖は全く珍しい話ではありません。

  2. ローカルウォレットをダウンロードする
     
    公式なものから非公式なものまである「ウォレット」と呼ばれるソフトウェアをダウンロードし、自分でアドレスを発行してウォレットを管理する方法です。

    ローカルウォレット

    ただし、「秘密鍵やバックアップを自分で管理する必要」「ウォレットを開くためのID・パスワード」があったり、保有するウォレットの数だけ「管理するリスク」があります。個人的には、マルウェア(ウイルス)やハッキングなどのリスクよりも、「自分自身が管理する」というリスクのほうが比較にならないほど大きいと思っています。

  3. ハードウェアウォレットを購入する(推奨)

    Trezor(トレザー)やLedger Nano S(レジャー・ナノS)などのハードウェアウォレットを使うと、専用のウォレットサイトを利用することができます。そこでビットコインなどのアドレスを好きなだけ生成することができます(下の画像はTrezorです)。

    Trezor 受信アドレス

    購入にお金はかかりますが、普通の人にはこの方法が簡単で安全な方法です。ローカルウォレットの管理をハードウェアウォレットに任せられるので、自分の手元で管理する方法としては一番安全かつ簡単でしょう。秘密鍵が抜かれている可能性があるため、絶対に正規販売店(販売代理店)から購入してください。何があっても中古品を購入してはいけません。

TREZORの日本正規販売店はこちら

2. 仮想通貨の取引所で口座開設する(オススメ)

BTCアドレスを手に入れる方法として唯一サポートがあるのは、仮想通貨取引所に口座開設をして、そこで取引所から割り当てられるアドレスを利用することです。

もちろん、ちゃんとブロックチェーン上で発行されたアドレスです。秘密鍵の管理なども不要で取引所自体の破綻やセキュリティにリスクが限定されます。取引所に依頼する形になりますが、残高をローカルウォレットなどの外部ビットコインアドレスに送金することもできます。

ただし、問題があったときに受けられるサポートは仮想通貨取引所の運営会社が対応できる範囲です。「着金しない」は調べてもらえる可能性ありますが、「違うアドレスに送金した」と言うレベルでは難しいでしょう。取引所がブロックチェーンに流す前であれば理屈上は対応できます。

番外編. 預けておけば増える FreeBitcoin で保管

かなりイレギュラーな形になりますが、私は一部のBTCをFreeBitcoin(フリービットコイン)に貯めて「運用」しています。

FreeBitcoinというのは、一時間ごとに無料でBTCがもらえる「フォーセット(Faucet)」と呼ばれるサイトで、そのサービスの一つに “EARN BTC” というものがあります。簡単に言うと、預け入れたBTCに銀行預金のように利息が付与されるサービスで、2024年1月現在では年利4.8%の金利が毎日付与されるというものです(この利率は少なくとも過去7年変更ありません)。

ここで発行される “Deposit” のアドレスにBTCを入れておけば、1日1回任意のタイミングで金利相当分のBTCが付与されます。翌日は付利された残高にも利息が発生するので、複利で運用できることになります。このメリットは相当大きいですね。

FreeBitcoin https://freebitco.in/

こんな感じで、毎日ビットコイン(satoshi)をもらっています。下の画像は少し古いですが、2020年1月現在では1日13,000satoshiくらいを利息として受け取っています。

FreeBitcoinで受け取った金利

ウォレットに入れていても安全はあってもホールド(塩漬け)しているだけなので、ただ寝かすだけではなく少しでも運用できるアカウントを作るのも一つの方法ですね。

FreeBitco.inのロゴ

無料でビットコインがもらえるFreeBitco.inの登録方法や使い方など

2018年8月19日

いずれにせよ、少しイレギュラーなビットコインアドレスの入手方法で、このアドレスは自分自身ではなくFreeBitcoinが管理するアドレスです(自分に割り当てられただけで、秘密鍵などの管理はサイト側)。この方法は業界最大手のFreeBitcoinが2013年から長く運営している老舗とは言え、どこまでFreeBitcoinを信用するかの問題もあります。

ウォレットの選び方:結論

コインチェック(coincheck)やZaifのハッキング事件などがあり、取引所に仮想通貨を置いておくことのリスクに色々とネガティブなことを言う人がいます。

が、私は「ごく普通の人には取引所の口座一番」というのが結論だと考えています。最終的には何を選んでもリスクのない管理方法はないので、どのリスクを許容するかという問題でしょう。

ローカルウォレットでアドレスを発行して「秘密鍵を紙に印刷して金庫に保管」というペーパーウォレットのような話もありますが、これは知識の披露を含めた半ばネタの世界だと思っています。多くの人は数百万円程度の暗号資産だとして、「本当にそこまで手間をかけてやりますか」という話ですし、「そこまで管理の手間が必要なものに投資するのが正しいのか」という話でしょう。

ペーパーウォレット

もはや「ビットコインをコールドウォレットで管理しているんだ」と多くの人に向けて発言する自己満足が目的だと思っています。

ビットコインアドレスの特徴(注意点)

誰でも履歴を見ることができます

ブロックチェーン(分散型台帳)と呼ばれる仕組みの特徴そのものですが、ビットコインアドレスの送受信記録は全世界の誰でも閲覧することができます。隠すことはできません。

例えば、私が昔使っていたアドレスをブロックチェーンエクスプローラーで検索してみると、使い始めた2017年1月の記録が出てきます。

ブロックチェーン 入出金履歴

ブロックエスクプローラー https://www.blockchain.com/explorer?view=btc

こういうこともできるので、ビットコインアドレスは他の人に教えてもいい公開用アドレス保管用アドレスに分けるのが理想です。特に、仮想通貨取引所から割り当てられたアドレスは変えたり増やしたりできないので、取引所の入金用アドレスは公開しない(誰にも教えない)というのも選択肢の一つです。

ただ、履歴だけを見られても誰かは分からないので、個人的にはそこまで気にする必要がない話だとは思っています。人にアドレスを公開してしまうと、誰かがバレた状態になることだけは少し気を使った方がいいでしょう。

ビットコインが消失することも

世間では「セルフGOX」なんて呼ばれ方もしていますが、操作ミスなどで自分の仮想通貨が消えてしまうこともあります。そして、誰も助けてくれません。

MT.GOX マウントゴックス

ビットコイン特有の話としては、ビットコインキャッシュ(BCH)のアドレスにビットコインを送付すると、そのままどこにも着金せずにBTCが消えるという事象が発生します。ビットコインキャッシュをBTCアドレスに送っても同じことが起こります。

これはBCHがBTCからハードフォークしたという固有の事情によるもので、送ってしまった場合は技術的にも取り出すのは不可能とのことです。

ただ、この話はビットコインキャッシュの開発陣が、BCHのアドレス体系を変更したことで対策がなされています。現在は新アドレスへの移行が進んでいるので、今はBTC・BCHのハードフォークに起因する類のGOXは減っています。

新しいビットコインキャッシュのアドレス

最後に、アドレスの確認は慎重に

仮想通貨の世界は、株式やコモディティなどの投資以上に「自己責任」の世界です。自分の身は自分で守る必要があるため、特に送金については慎重に行ってください。送金先アドレスの前後5文字を確認して途中で切れていないかを確認するなど、人によって確認方法は色々あると思います。

確認に確認を怠らないようにしましょう。

アドレスの確認方法

ご参考までに、主要アルトコインやKOTOのような草コインも同じ仕組みです。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。この記事が仮想通貨の理解に少しでもお役に立てれば幸いです。




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